医療法人社団 良俊会 ふくの若葉病院

身体抑制に関する臨床指標

平成296




当院では、アセスメントの結果、「ミトン」「4本柵」「つなぎ服」「上肢抑制」の4種類の抑制を実施することがあります。今回は、入院患者に占める全体の抑制率について、平成27年度と28年度を比較してみました。

その結果、中心静脈栄養者が増えるにつれて増加し、282月には過去最高の21%の抑制率となりました。しかし、委員会において解除に向けた対策の共有を進めた結果、H293月には10%に半減するなど、減少傾向を認めています。

因みにこの2年間における医療処置行為の推移を比較すると、中心静脈栄養者は約2倍になり、人工呼吸器の導入をはじめ酸素療法者・点滴治療やドレーン留置者などの入院は、むしろ増加傾向にあります。

当院はH2581日から医療病床を60床から72床に、H2931日からはさらに80床に増やして、介護病床からの転換を図っております。今後も患者の命と安全を守る意識と、人としての尊厳を尊重する気持ちの両方のバランスが、ますます重要になっていきます。

 H273月に特定非営利活動法人 全国抑制廃止研究会の報告書(厚生労働省 H26年度老人保健健康増進等事業−「介護保険関連施設等の身体拘束廃止の追跡調査及び身体拘束廃止の取組や意識等に関する調査事業報告」)によると、介護療養型医療施設の抑制率は12.0%、医療療養病床は12.7%であったと報告されていることから、この数字を上回らないように、委員会や抑制パトロール、院内研修会等の機会を通して、さらに解除に向けた取り組みをすすめていきたいと思っています。