医療法人社団 良俊会 ふくの若葉病院

医療安全に関する臨床指標

 ふくの若葉病院では、地域の方々に安心して医療や介護サービスを受けて頂くために、また、入院されている患者さんの安全な療養生活を守るために医療安全のための活動に積極的に取り組んでいます。

 年度ごとのインシデント・アクシデントレポートの報告件数や発生状況、対策などについて公表しております。

1.インシデント・アクシデントレポート報告件数 (単位: 件)


与薬
(内服・外用)
与薬
(注射・点滴)
調剤 チューブ類の使用管理 食事栄養 清拭・入浴・吸引・食事介助 移送 転倒転落 転倒転落の危険性 その他 合計
平成23年度 26 3 0 19 3 14 5 47 47 36 198
平成24年度 28 3 0 9 4 6 13 61 31 22 177
平成25年度 54 5 0 18 15 7 14 62 53 40 268
平成26年度 33 18 0 17 14 21 10 42 44 52 251
平成27年度 37 17 0 20 14 12 5 56 42 45 248
平成28年度 28 11 0 23 12 4 8 43 25 33 187
※ 「その他」には、リハビリ・処置・検査・排泄介助・感染防止・記録・説明・事務・医療機器の使用管理・環境などを示しています。いずれも1年間に0〜数件の発生であるため、ここでは合計して提示しております。
※用語の説明
@インシデント(ヒヤリ・ハット とも言われています)
 誤ったケアや処置が患者さんに実施される前に発見されたもの。あるいは、誤ったことが実施されたが、患者さんに影響がなかったものをいいます。
 また、転倒・転落があったり施設設備などの不具合が発見されたりしても、患者さんの身体や日常生活に影響を及ぼすに至らなかったものもこれに含まれます。
Aアクシデント
 医療行為や、転倒・転落、施設設備の不具合などにより、患者さん自身に影響や損害を生じた場合のことをいいます。患者さんの自傷行為などによる影響も含まれます。

≪インシデント報告内容の傾向≫

入院患者さんの多くが、高齢で転倒・転落のリスクが高い傾向にあります。
この転倒・転落が少しでも減ること、万が一転倒・転落があったとしても骨折をしない、もしくは軽い怪我で済むような対策を考え実行しています。
近年、「チューブ類の使用管理」に関するインシデントが増える傾向にあります。
これは、「中心静脈栄養」という特殊な点滴方法で栄養管理を必要とする患者さんの入院が増える一方で、認知レベルの変化により、危険の判断ができなくなった方が多くなり、点滴ルートの接続を自身で外されたり、針を抜いてしまわれたりするトラブルの報告が増えたことによるものです。


2.生命への危険度

な い レベル0: 間違ったことが患者に実施される前に気づいた場合 インシデント
低 い レベル1: 間違ったことが患者に実施されたが、患者に変化がなかった場合
可能性あり レベル2: 間違ったことにより患者に変化が生じ、一時的な観察や検査が必要になったが、 治療の必要がなかった場合
高 い レベル3A: 間違ったことが患者に実施されたために一時的な治療が必要になった場合
レベル3B: 間違ったことが患者に実施されたために継続的な治療が必要になった場合 アクシデント
極めて高い レベル4: 間違ったことが患者に実施されたことにより長期にわたって障害がのこった場合
死 因 レベル5: 間違ったことの実施が死因になった場合

生命への危険度レベル別報告件数 (単位: 件)

危険度レベル 3A 3B 合計
平成23年度 36 150 12 0 0 0 0 198
平成24年度 19 129 28 0 1 0 0 177
平成25年度 24 188 45 8 3 0 0 268
平成26年度 29 167 45 9 1 0 0 251
平成27年度 10 182 45 9 2 0 0 248
平成28年度 9 120 42 12 4 0 0 187
3Aの報告に多いものは「スキン・テア」と言われるものです。
スキン・テアとは、高齢などの理由から肌がとても弱くなることで、ちょっとした捻じれや摩擦によって肌が裂けるように傷つくことをいいます。
ここでは、傷が小さく簡単な処置で短期間に治癒したものを報告しています。
3Bの報告でもスキンテアが報告されています。3Aとの違いは、傷が大きく複雑で治癒までに日数を要したものです。
この他に、ベッド上安静の患者さんが柵を乗り越えるような動きをされ、転落して足の骨の剥離骨折を起こされたケースが1件報告されました。安静と固定で保存的に治療を行い治癒されました。

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