ボランティアってなんですか?

ボタン ボランティアとは?

もともと「志願者」「有志者」という意味を持つ言葉です。誰もが、自分でできることを自分の意志で周囲と協力しながら無償で行う活動のことをいいます。

ボランティアをやってみたいと思ったら…

ボタン 自分のことをよく知ろう

ボランティアをしようと思うとき、自分ができること、やりやすいことを身の回りから見つけてみましょう。特別な知識や技術を身につけていなくても、今持っている趣味や仕事、好きなことを活かせる活動があると思います。あなたにもきっと持ち味があると思いますよ。

ボタン 活動することが決まったら

まわりをよく見渡して、自分が何をしたらいいのか考えてみましょう。ボランティアには勇気と積極性が大切です。待っていても誰も指示してくれないかもしれません。勇気を出して、一歩踏み込んでみましょう。そこには、きっと違った自分や世界が広がっていますよ。

ボタン 気をつけること

・ボランティアは、決して「〜してあげる」活動ではありません。この地球に共に暮らす仲間としての「協力者」です。感傷や哀れみの気持ちは禁物ですね。友達のような視点でお手伝いしましょう。

・活動を続けていると、個人のプライバシーの問題を耳にしてしまうかもしれません。そんなときにも秘密は守りましょう。人として信頼関係を保つためにはあたりまえのことですね。

・自分ひとりの考えでは、判断が偏ってきてしまいます。仲間やたくさんの人に相談しながら、力を借りながら、広い視野で考えていくことがよりよい活動に繋がっていくことでしょう。

ボタン 活動を始めたら

ボランティアって、続けていくとたくさんの発見や喜び、充実感が味わえるものです。無理をせず、自分のペースで長く続けてやってみましょう。あなたの顔をみることを、心待ちにしてくださる方がいらっしゃるかもしれませんよ。

ボランティアとは?

ボタン 背 景

1.ボランティア活動の高まりの背景

(1) 生活のゆとりと社会への貢献

週休2日制や労働時間の短縮により、人々の余暇時間が増え、生活にゆとりが生じることにより、ボランティア活動を通して社会に貢献したい、生き甲斐のある充実した日々を送りたいという人々が増えてきた。

(2) 社会の変化と市民の自立

高学歴化、女性の社会進出の進展などにより、自ら知識や技術を身につけた市民が行政に頼ることなく、社会的課題に自発的に取り組み始めた。

(3) 既存の社会システムの限界

少子・高齢化、国際化の進展、地球環境問題などの社会的課題の発生は、公平性、平等性を重視する行政活動や営利性を求める企業活動などのこれまでの社会システムだけでは、対応しきれなくなってきた。

(4) 都市化によるコミュニティの希薄化

高度経済成長による人口の都市集中や核家族化の進展、社会保障制度の充実によって地域の相互扶助の精神が薄らいできた。
現在でも町会・自治会の活動には素晴らしいものがあるが、転入者や単身世帯なども含めて、防犯活動、青少年の健全育成等あらゆる面でより一層連携を強化してゆくことが必要となる。

(5) ボランティアに対する社会的認識と評価

阪神・淡路大震災やロシア船籍「ナホトカ」号の日本海重油流出事故などでボランティアの臨機応変できめ細かな対応が図られた。このような活動によってボランティア活動に対する人々の認識や評価、関心が高まった。

2.ボランティア活動の現状

(1) ボランティア活動の進展

全国のボランティア活動への参加者は年々増加を続けており、活動分野も環  境、国際交流、教育、文化など飛躍的に拡大している。

(2) 急速な高齢化社会の到来

高齢化社会の進展にともない、社会保障や高齢者の生き甲斐づくり、健康増進、バリアフリー、みまもりネットワークなどの対応への課題が山積してきた。

(3) 少子化社会の進展

出生率の低下により、少子化傾向が進むとともに、核家族化が進展し、人との交流が少なくなっている。このため、子供たちがボランティア活動を体験し、高齢者とのふれあいや交流を行うことは、将来の高齢化を社会全体で支えるためにも重要である。また、相談相手のいない母親の育児ノイローゼの相談等ボランティアの果たす役割は、ますます増大すると考えられる。

ボタン ボランティア活動とは

1.ボランティアとは

(1) 一般的なボランティアとは

ボランティア活動は一般的に次の四原則で説明されている。

@ 自主性・自発性

  個人の自発的な自由意思に基づいて行われる活動であって、人から命令や強要されて行うものではない。行政が意識の醸成や啓発を行っても活動することを決めるのは本人の自由意思によってなされるものでなければならない。

A 社会性・連帯性

 社会にある様々な課題について、個人の関心や動機から始まったことでも活動することによって社会へ影響を与えるということであり、その活動を通じて他の人とかかわりができ、新たな人間関係が育まれるということである。

B 無償性・無給性(非営利性)

活動の対価や見返りを求めない活動であり、ボランティア活動の報酬は自分の満足感や人とかかわることによって得られる人間関係である。

ただし、ここでは、非営利の活動までを対象とする。

非営利とは、利益が生じても本来目的の活動のために再投資するなど、会員や個人にその利益を分配しないことである。

C 創造性・開拓性・先駆性

行政の活動は、法律や条例、予算に基づいて行われるのに対し、独自の考えによって先駆的な、創造性豊かな活動ができるということである。

(2) 協議会におけるボランティアとは

@ ボランティアの範囲・対象

暴力・政治・宗教活動でない活動で、市民オンブズマンなど行政をチェックするような活動までを対象とし、できるだけ幅広くとらえるべきである。

A NPO、NGOとボランティアの違いについて

  個人も団体もボランティアとしてとらえられるが、団体や組織は、非営利組織(NPO)及び非政府組織(NGO)としてとらえられ、その団体に所属して実際に活動している個人や個人的に活動している人をボランティアととらえる。

   B 有償性・無償性

 社会福祉協議会やボランティアセンターでは、「交通費や材料費などの実費分までは無償の範囲とする。」ということが、一般的な考え方となっている。労働の対価や謝礼を受け取ることは、ボランティアの「無償性・無給性」に反するものである。

     そこで、個人(イ.の人=ボランティア)が有償のお金を介する住民参加型サービスを行う場合は、ボランティアではなく、「協力員」と考えるべきである。現在のような限られた財政状況のなかで効率的な事業を住民参加で行う場合には、「有償の協力員制度」やNPO等への委託等が考えられる。ボランティア活動は、お金を介さないことによってなされる豊かな人間関係の形成にその意義がある。

 組織としてのNPO等へ金銭的支援を行う場合は、利益を個人に配分するのではなく、組織の活動のために使われるべきであり、そのために、必要な支援を実施すべきである。

C 福祉事業とボランティアの違い

 社会福祉協議会では、無償のものを「ボランティアセンター」で、有償のものを「社会福祉協議会の福祉サービス」として実施しているところが多い。

 これは、「無償では申し訳ない」と考える受け手の立場と儲ける必要はないが、少しのお金は欲しいという活動者側の考えがあるためである。

2.ともに支え合う人間関係

 ボランティア活動は、恵まれている者から恵まれない者へ、健常者から障害者へ、裕福な者から貧困な者へということではなく、自立した市民による相互の活動であり、市民同士がお互い対等につながる活動である。お互いが平等な立場で協力し合える関係が大切である。

3.自己責任と継続性

 ボランティア活動は個人の動機や関心で、自らの判断や考えで行う活動であるが、社会生活を送る市民としての自己責任は、ボランティア活動を行うときにも必要である。活動にあたっては、安全の配慮など活動の対象(者)の権利にも注意を払う必要がある。また、本来ボランティア活動は始めることも止めることも自由であるとの考え方もあるが活動の対象(者)の立場に立った活動の継続性も必要である。

4.共感・人権・共生に基づく活動

 ボランティア活動は市民の暮らしの中での課題を、お互いの助け合いの中で解決する活動から、現在では日本全体、ひいては地球全体にかかわる課題に対する国際交流や地球環境問題にかかわる活動まで範囲や対象が広がってきている。

ボタン 活動の意義・役割

1.社会を支える主要な担い手

  多様かつ自由な発想に基づく、各種の優れた特性を有するボランティア活動は、行政や企業等とともに、社会の発展を支える主要な担い手である。

2.地域課題の実践的な担い手

 ボランティア活動は、環境問題、地域のふれあい、子供たちの健全育成などを具体的に実践している。

3.人間的ふれあいと自己実現

 ボランティア活動は、活動そのものが楽しく、人間的ふれあいがあり、家庭生活や近所づきあいを越えたより広範な地域社会の中で、生き甲斐を感じることができるものである。地域でボランティア活動を実践することで、相互のふれあいの中で喜びを感じることができるものである。

4.肩書のない自由な関係

 ボランティア活動は、企業における上下関係や年齢、性別を超えてかかわりを持つ関係が存在し、肩書がないことなどから自由で平等な関係が構築できる。

5.社会的課題の発見

 公平性や営利性にとらわれることなく自由な発想で、社会のあり方やまちづくりについての課題を提起し、自らの力で解決しようとする取り組みは、社会に新たな刺激をもたらし、社会を変革する先導的な役割を果たすと考えられる。