Tsuda Ladie's & Maternity Clinic



クラミジア感染症

クラミジア・トラコマティスは、性病の1つでです。
初感染部位は子宮頚管(子宮の入り口)で、頚管炎を起こしますが多くは無症状です。
症状としては、帯下の増加、下腹部痛、性交痛を起こします。

新生児が産道を通るとクラミジアに感染し、クラミジアによる結膜炎や肺炎を起こす可能性があります。
当院では妊娠6ヶ月に妊婦のクラミジア検査を行い、陽性になった場合には抗生剤(例;クラリス2錠分2/14日間)の内服を行っています。夫も治療を行わないとピンポン感染(夫から感染してしまう)をしてしまうため同時に夫の治療も行っています。

B群溶連菌(GBS)

GBSが原因の早発型新生児敗血症(重症肺炎、髄膜炎)は、分娩の0.14%に起こり、25%の死亡率と生存児にも後遺神経障害を残すことが知られています。
GBSは皮膚の常在菌であり、妊婦の膣や会陰の細菌培養を行えば15〜20%にGBS陽性になります。
このうち分娩時に抗生剤の予防投与をしない場合には、新生児がGBS感染症となる可能性は1%です。
(発症率は低いが、発症した場合には死亡率が高い)

当院では、妊娠35〜36週(早産徴候がある場合にはその時点)に膣分泌物と会陰周囲、肛門周囲の細菌培養を行っています。
陽性の場合には陣発入院後より、抗生剤の皮内反応を確認のうえ抗生剤(例;ビクシリン1g+生食100ml)を8時間ごと投与しています。

陽性患者に抗生剤の投与を行っても、GBSは常在菌のためしばらくするとまた出現してきます。
分娩直前に投与するのが、ミソです。