12cm径スピーカーのスピーカーエッジの自作と張り替え
ONKYO D-102Acm 最大出力80W、定格出力30W、インピーダンス4オームの小型スピーカー、低域にはノンプレスバイオクロスコーンによる12cmコーン型ウーファーを搭載し、高域には2.5cmソフトドーム型トゥイーターを搭載している。12cmコーン型ウーファーのスピーカーエッジにクラックがいくつも入って大きなパワーを入れると歪む。
このスピーカー、大きさは幅166x高さ259x奥行272mmの小型ながら、作りは堅牢、重さは5.3kgあり、太いケーブル使用の可能なターミナルを採用している。ウーハースピーカーのエッジを自作して張り替えて修理することにした。
- スピーカーエッジの自作と張り替え作業
クラック割れでやっとつながっているスピーカーエッジ、エッジの材質はウレタン。製造は1998年頃で10年以上経っているので、ウレタンの自然劣化・分解がすすんだことが原因。

スピーカーエッジは触るだけでパリパリとを割れて剥がれていく。スピーカーエッジはスピーカーフレームに厚紙の押さえと共に接着されている。

剥がし終わった後

コーンエッジ

コーンを支えるダンパー、大入力に耐えるスピーカーコイルの運動を支えるためとても機械的に強く作ってある。

マグネット部、大きくて重い。30Wと印字されている。

スピーカー2個のスピーカーエッジの剥がし終わる

スピーカーエッジの半円くぼみ形状の型にするポリエチレン発泡体10mm径の小丸棒を半分に切り分ける。小丸棒を板と板の間に挟んで固定し、物差しにナイフの刃を当てて真ん中で切り分ける。

半分に切り分けた10mm径の小丸棒の断面

板に半分に切り分けた10mm径の小丸棒を木工ボンドでスピーカーエッジの形状に貼り付ける

薄手の青のGパン生地をスティック糊でスピーカーエッジ型の上からかむせ、半丸型に合わせて板に貼り付ける

Gパン生地の拡大

作業机の上、ユタカメイクの液体ゴムBE-1(アクリル樹脂、クリア、水性)、筆、スティック糊などが置いてある

Gパン生地に液体ゴムをコートし乾燥する作業を8回繰り返し固めしっかりした弾力を持ったスピーカーエッジにする

液体ゴムで固めたGパン生地スピーカーエッジの拡大

液体ゴムで固めたスピーカーエッジの型から切り取る。

液体ゴムで固めたGパン生地スピーカーエッジをスピーカーにのせてみる。寸法はあってる。

液体ゴムで固めたスピーカーエッジの裏にスティック糊がGパン生地にくっついている。

スピーカーエッジの裏、Gパン生地にくっついているスティック糊を水につけふやかし、歯ブラシでブラッシングして取り除く。

水で洗った後のスピーカーエッジの表と裏、裏はスティック糊がなくなりGパン生地が出ている。

スピーカーエッジの裏に液体ゴムを1回塗布し、Gパン生地をゴム層に完全に埋め込む。スピーカーエッジの厚さを測ると0.43mm、Gパン生地の厚さは0.18mm。

スピーカーエッジの内側に切れ目をいれて、弾力性接着剤セメダインスーパーX、ブラックをエッジとコーンに塗って、10分位放置しうらから指でコーンを支えエッジ部から竹串で押さえて接着する

次にスピーカーエッジの外側とスピーカーフレームを接着する

スピーカへのスピーカーエッジ接着完了

できあがりの拡大

スピーカへのスピーカーエッジ接着部を裏からみてみる

スピーカーエッジ形状を斜めからみる。小丸棒の半円形状が出ている。

スピーカーエッジを張り替えた2個のスピーカー

スピーカーボックスに入れたスピーカー

設置して音を聞く。低音は大パワー入れても歪まなくなり、音量も豊かになった。スピーカーエッジに触るとスピーカーコーンの激しい前後振動を受けてスピーカーエッジも激しく動いている。スピーカーエッジを強いGパン生地で作っておいて良かったと思う。このスピーカー小型だし持ち運び移動が簡単、小さな会でのボーカルスピーカーとして使いたかったので修理した。

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2020 9/6 uploaded