結構、ムチャやりますw。
公式サイトの私物化もいいトコ。

佳き酔い心地に、佳き調べは、好く合います。

以下、この嶋 光国が
独断と偏見とをもって選ぶ、
酔いがさらに心地よくなるディスコグラフィー。

ま、テキトーに、流してやってくださいませ。

尚、再販などでジャケットデザインや製品番号・価格が変わりがち。
 よって、その手のデータではなく、録音日時などで検索していただいた方が良いディスクも多いです。 

 たおやかな酔い心地に合うディスクなぞありましたら、御一報くださいませ。 



モーツァルト 交響曲全集
アレッサンドロ・アリゴーニ指揮 イタリア・フィルハーモニア・オーケストラ
Membran Music
 デフレ、デフレと言われて久しい今日の頃です。なんでもようやく景気は上向きとかで、量的緩和の終演そしてデフレから今度はインフレへ(なななんと、目標値まで設けようって!)。平成大不況の世は、変わりつつありなんですかね。
 思えば、色々なものが安く(あるいは、安っぽく)なりました。いわゆる100円ショップもそうですし、価格破壊とやらがあちらこちらで。それが、非効率な規制が緩和された結果だったり、グルになって高値安定を保っていたのの破壊だけだったら良かったのですが、さすがは勢い余って戦艦大和まで建造して最後は捨ててしまった日本人です?、行き着くトコまで行かなきゃ気が済まないらしい、自分で自分の首を締めるような『自由競争』とやらの結果があちらこちらに見られますね。
 手前味噌を承知で言わせて貰えばですよ、日本酒というものは、醸造酒としては世界一高い原料を使用して、人間が五感で昼夜を問わず世話をして、ようやく出来る嗜好品ですわ。それまでもが、価格破壊・自由競争に巻き込まれる。勢い、世の平均は、水が高きが低きに流れるがごとくに…。ため息です。

 で、この盤、と言いますかボックス・セットです。今年はモーツァルト・イヤーだとかで、向こうでもNHKでもモーツァルトモーツァルトですが、ではなじみの無い方にはコレと言わせて貰います。
 なるほど、オーケストラにしても指揮者にしても、少なくとも日本では聞いたことありません。曲の解釈にしても、これまでの常識とは相容れない演奏があちらこちらに。
 しかしですよ、モーツァルトの交響曲のほぼ全てが網羅されている10枚組が、たったの1609円(送料別・2500円以上買えば送料無料ですがね@某有名レコード屋サイト)で手に入る。この冬季オリンピックが行われたトリノの王宮での録音とまできています。こんなにタイムリーなセットはあり得ません。
 廉価版とは言え、録音は良く(演奏より演奏されたホールの響きが良いという噂もありますが)、踊り出したくなるような旋律が小編成のこぢんまりとした演奏の倍音からサラサラ流れ出てきます。イージーリスニングにももってこいです。

 尚、本セットは輸入盤で、日本語解説書はおろか、解説書のようなものも付いていません。これを書いているただ今のチャンスを逃すと、手に入らなくなる可能性が非常に高いのがこの手の廉価版セットです。是非、とっとと買ってください。
 最近これまた流行の株取引ではないですが、チャンスは前髪を掴まないといけないことも多いんですな。
up 2 Mar. 2006





上の画像をクリックして下さい。
詳しい説明のリンクが張られています。
宣伝のつもりはありません、
念のためw。
ベートーベン 交響曲第9番 合唱付
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管・合唱団
OTAKEN RECORDS
 今年も、いろんなことこそ起こりましたが、なんだかんだで平穏無事にこの曲を聴けるという幸せ、再認識すべきでしょう。そう、第9の季節です。
 思えばこの定番中の定番録音、何枚も買ってきました。それも、この録音の何年か前後でのフルトヴェングラー指揮による第9を何枚も買いながら、です。(若かりし頃は、某大学フルトヴェングラー研究会会員だったくらいですからネ) 東芝EMIのを買い、それを売ってまで同じもののゴールド・ディスクを買い、それを長期の旅に出る前に生き形見にくれてやって、近年高音質で評判になったイタリアEMI盤の全集で買い、そしてついにたどり着いたのが、新品状態の当時のSPレコードから起こしたというこの盤です。

 長かったような、短かったような。平板な世間並みの尺度で言う長短で測れない、ってな、そんな感。ホント、世には様々な遍歴があるものです。いや、あってしかるべきで、あるからこその生の歓喜なのではありましょうが。
 そこにはですよ、甘ったるい、シアワセは向こうから勝手に転がり込んでくるもんだ、みたいな無根拠な楽観、楽観いやさ「ボケ」の介在する余地があるべきではありますまい。ともかく常に、本気であり、昂然たるものであるべきでしょう。

 宝くじのごときアホらしい無根拠は唾棄されねばなりません。この盤の出生(リンク先参照、左の画像をクリックのこと)を歓待し享受する程度に留めておきましょう。何とならば、幸か不幸かこの先我らを当然のツラして待ち受ける、大将連呼する所の『改革』とやらの結果として起こる(いや、崩れる)平成の世、そこにおいては、「唾棄出来ること」が一等の大事に他ならないことになりそうな予感ですんで…。
up 29 Dec. 2005



モーツァルト ピアノソナタ全集
pf リリー・クラウス
EMI KOREA
 ガーリッシュと言いますか、少女漫画的と言いますか。いや、古典的な意味での少女小説的、といった方がよいかも。それとも、女学生を呼ぶに「メッチェン」個人を指すに「〜姫」、というフンイキ?。このリリー・クラウスが弾くモーツァルトには、そんな可憐さとおしゃまな感じが、寒風の中を駆け抜ける少女の横顔と跳ねるお下げ髪、ってな感じで躍動しています。
 そんな調べを耳にしておりますと、いつしか想いは遡り、記憶としてはちょっとモノクロームになってしまってきたあの頃あの日々の甘酸っぱい記憶が、サラサラとくすぐられる感じがしてくるからフシギです。自然、赤面したりなんかして。そんなときは照れ隠し誤魔化しに、グィと度数高めの原酒なんかを呷りたくなったりして。そして、急に襲ってくる酔いが、我知らず、追憶を余計こっ恥ずかしく自動再生し出したりなんかして。そんなドツボ、また楽しからずや、とか強弁しちゃって、失笑まで買ってしまったりして。
 あきませんなぁ…。

 この全集、90年頃に東芝EMIから出た後廃盤となり、オークションではプレミアが付いて取引までされていました。近年、新星堂からの再プレスに続いて、韓国EMIにて新規リマスタリングされたこの盤が出まして、安価なこちらをようやく入手の運びに。
 しかし、手にしてビックリ。ライナーノートや背にハングルが入っているのは当然なので驚きはしませんが、ボックスと各ケースジャケットのデザインとして?、東芝EMI盤の曲目が日本語そのままでそっくりコピーされ挿入印刷されています(東芝EMI、とか、その盤の日本円での定価までそのままに…)。これって、パクリぢゃないんですかぁ…?。さすがです、やることが違います…。

up 10 Dec. 2005



上々颱風

 多彩な国籍と表現するよりは、「無国籍」と言った方が良い。多様性とするよりは、しっちゃかめっちゃかと表現したくなる。そんな空気がアジア全域に存在します。良い意味で、ですよ。近年の経済的発展の中で、エキゾチズムは旅行産業に吸収され同化されてしまった所も多いのですし、表皮だけスカしてみている地域も多くなりましたものの。
 麹というカビの一種を使う文化は、アジアの高温湿潤な背景があってこその発展でした。日本の酒たる日本酒ですが、俯瞰をかけてみればその輪の中にちゃんと入っています。
 そう考えてみれば、地酒ブームが来て去って、またも焼酎ブームが来てどうなって、なんていうサイクルも、大変に「小さい」ことですし、怨んだり拒んだりはしゃいだりというのも大人げないかもしれませんね。

 明るいアナーキズムは、陽光の下ではさらに爆発エスカレートするのが常。梅雨空が続く中で時にパーッと光が差したときには、庭にでも出て一杯やってみましょう。光の中と味わいの中に、快活無比なテンポが聴き取れることでしょう。
up 11 June 2005





バッハ 平均律クラヴィーア全集
グレン・グールド
CBS SONY

スヴャートスラフ・リヒテル
RCA VICOR
 さて、どっちで晩酌にしようか、今宵は…。 そんな思いを前に、手持ちの酒が二つ開いている状態で、しばし思案する。肴や気候、その日の気分等を勘案して、瞬時迷うのがまた小さなシアワセではありませんか!。
 一方で、きき酒(ききしゅ、と発音するべきなんですって、公的機関などでの官能による品質評価の場は…なんだそりゃ)として、番号や記号だけが振ってある瓶を前にしますと、それは仕事であり試験でありますから、こちらはむしろ苦役に近くなってしまいます。緊張感漂う酒の苦役なら、悪くないという方もいらっしゃるかも知れませんが。

 そんなこんな、様々状況こそあれ、楽しく苦しく迷うことは多いものです。バッハの名曲『平均律』をご紹介するに当たりまして、それはもう、苦役に近く感じるまで悩みました。結果、両方共に掲載することとあいなりました。
 同じ譜面からビアノという単一の楽器を演奏するというのに、こうまで世界が変わるというのも珍しいのが今回の2盤。滴り落ちるごとくになんともロマン的なリヒテルの演奏か、それとも、唯一無二にして孤高の世界を叩き出すグールドのハミング付き演奏か。もう、両方まとめて、とっかえひっかえ聴くしかありません。ありませんし、そうする価値のある2盤です。両方とも、残りの人生全編にわたって付き合うに値する名盤です。

 呑むのが例え自分一人でも、たまには側に、ランクや価格帯が同じなのに全くキャラの違った酒を複数置いてみては如何なものでしょう。知らずの内にハミングするのも良し、力を抜いて美の調べに身を委ねるもよし、それら交互でも尚良し…。
up 15 May 2005



日本のうた
鮫島 有美子
DENON
 センター試験と言うのですか、大学入試の共通試験の国語からですよ、漢文がなくなったと聞きました。本当ですか?、確認はしていません。本当だとしたら、誠にゆゆしきことです。
 中国語でなくて、「漢文」ですから。漢文は、古文つまりは昔の日本語と相携わる関係にあり、それはいわゆる文語につながっていきます。現代日本人の趣味悪化の理由の1つは、このラインの忘却にあるのでは、と一人考えます。
 文部省唱歌と言われた曲を含めた様々な近代日本の歌の数々。鮫島の凛とした声で聞き直せば、これらを置き去りにするのは恥ずかしいばかりか大きな喪失でありソンであると、一発で理解できます。

 春のうららの 隅田川 のぼりくだりの 船人が
 櫂のしずくも 花と散る ながめを何に たとうべき

 見ずやあけぼの 露浴びて 我に物言う 桜木を
 見ずや夕暮れ 手をのべて 我さし招く 青柳を

 錦おりなす 長堤に 暮るれば昇る 朧月
 げに一刻も 千金の 眺めを何に たとうべき

 武島羽衣の格調高く清冽優美な詞に、滝廉太郎のテンポ快活な曲がついている歌、「花」は勿論入っています。念のために申し添えておきますが、「花」三題目は、蘇軾の詞「春夜 : 春宵一刻値千金 花有C香月有陰 歌管樓臺聲細細 鞦韆院落夜沈沈」を踏まえています。こういうつながりの面白さ興味深さ奥深さが、このままでは皆目解されなくなってしまう!。これはゆゆしきことです。

 今朝からの風は、正に花に嵐でした。地元の桜も、寂しくなってしまいました。食卓の花瓶に残る桜の枝にて名残を惜しみつつ、トラスト第一回配布の生酒を。
up 20 Apr. 2005



ウェーバー 魔弾の射手
C・クライバー指揮 ドレスデン国立管弦楽団
グラモフォン
 そろそろ、年の瀬。カウントダウン、ってトコですか。
 大はしゃぎしながらカウントダウンしている様が、大晦日にはあちこちで見られます。一つ数字が少なくなるごとに、興奮と緊張は高まっていく。人は、そういう、自己完結的な数数えが好きみたいです。
 確かに、興奮と緊張が高まりますわな。時にはそれは、特に逆に数が特定まで増えていくカウントであったりしますと、恐怖感・寂寥感でもあったり…番町皿屋敷や地蔵和讃etc. 
 思うにこの歌劇のハイライトは、主人公マックスと悪友カスパールが深夜の狼谷で恐怖におののきながらも魔弾を鋳造するあたりかと。ひとーつ…ふたーつ…みっつー、と数が読まれていき、演奏もどんどん高鳴っていき、ついには7つ目でもって恐慌の中の完了となる。この練り上げ方、曲のドラマ性もさることながら、クライバーの名演に負うところも大きいでしょう。
 勢いとハデさがある新酒の原酒を飲みながら、スリリングに盛り上がりゆくってのはどうでしょうか?。

 因みに今年2004年は、クライバーの没年として、いくつ年の瀬を越えても記憶され続けられることでしょう。
up 9 Dec. 2004



リッチー・バレンス・ストーリー
リッチー・バレンス
DEL-FI
 その事故死が17歳という若さで起きてしまって、夭逝と書くのもしっくりこない位。スーパースターにはありがちな事とは言え、あまりに早すぎました。
 このジャケットを含めて、残された写真などを見ると、ホントにあどけない。当節、中学生位でもプロ歌手として歌い踊るとは言え、メディアによって戦略的に造られた虚構の完成品であり虚像としてのお人形さんであるアイドルとは全く違った、単純明快にして正しいあどけなさとその背伸び加減が、彼リッチー・バレンスには見られます。

 大して美味しいとも心から似合うとも思わないのに、ムリしてカッコつけ背伸びして、髪を整えてみたりお酒を口にしたり煙草をくわえたりしたことが、誰しもあるはず。そんな、ストレートで正しいガキ時分の思い出と共に、今日の一杯を。あどけない背伸びがそのまま永遠に固定されてしまった、そんな損失もあるのだということを忘れないようにしつつ…。
up 13 Oct. 2004



わたしを断罪せよ
岡林 信康
東芝EMI
 いつの頃でしょうか、フォークという音楽ジャンルが消えてしまったのは?。ニューミュージックなる、今となっては「新人類」並みにハズカしい名のジャンル中に埋もれ消えてしまったようです。
 「ニューミュージック」も、もはや死語ですか…。移ろいの激しさ速さと、その虚ろさを感じずには居られません。ミリオンセラーになっても社会的影響はほとんど皆無、というこの現代の寂しさよ…。
 ホントなら、ロックというジャンルが、反骨・反体制・反権力精神を、うねるような動的チカラを持つものでした。それがこの国では一部の例外を除いて(例外…ザ・タイマーズ…!)育ち得なかった。その代わりが、“あの頃”のフォークにあったのかも知れません。

 惜しいジャンルを無くしました。しんみりと、一杯二杯…。 …でも、焼酎をあおるのではなくして…。
up 4 Aug. 2004



LIVE!
ボブ・マーレー & ザ・ウェイラーズ
 ボブ・マーレーが絞り出した音楽をして、シマが旅ですれ違ったことのある男が、「GDP下がる音楽」と形容しました。鋭い指摘…鋭すぎのような気がします。
 明るく前向き、そんな投げ遣りさ加減、とでも申しますか。メッセージ性に富みすぎの故に人をして怠惰に導くような、とでも申しますか。どう言ってみても、結局的ハズれなような気がします。だからこその、スーパースターだったのでしょうか。突然の死や路上生活経験などのみがカリスマ性を後押しするものではないような気がします。
 「気がします」としか言えません、そんな気がします。とにかく腰を下ろして、肩の力を抜いて、一杯。それが良いような気がします。
 このライブの凄さは、なにがどう転んでも解ってもらえる、そんな気がします。
up 5 May 2004



マーラー 交響曲第7番「夜の歌」
L・バーンスタイン指揮 ニューヨーク管弦楽団
グラモフォン
 “世紀末”というのは、実は一体いつだったのでしょう?。これはシマの持論なのですが、日本のバブル経済の爆発と崩壊があった、1990年前後が日本にとっての「世紀末」で、その後ホントの世紀の変わり目までの期間はオマケか残滓かみたいなものだったのではないのでしょうか。
 「今に私の時代が来る」と、ウィーン世紀末にあったマーラーは言いました。そして、日本でマーラーが流行ったのが80年代末からのこと。如何ですか?、シマの珍説…。
 告白します。当時学生だったシマは、マーラーの交響曲にハマッていました。時あたかも、バーンスタインのマーラー・チクルスの録音が進行中。特にこの7番は、そのやたらの長丁場の中に、ブラウン運動的爆発と統合とを手前勝手に聴き出していたものでした。他では滅多に使われない金管の音にも、たまらない魅力を感じていました。
 この現在は…ダメです。聞き続けられません。不協和音に聞こえます。繰り返します、ダメっす。これが、嗜好の移ろいというものなのでしょうか…。素晴らしい演奏だということは今も判っても!。
 そんな味の酒は、ありませんか?。思い出すのも悪くありません、とある夜には…。
up 31Mar. 2004



R・シュトラウス 薔薇の騎士
エリザベート・シュヴァルツコプ クリスタ・ルートヴィッヒ
EMI
 シマが実際にこの目この耳で観劇したオペラは、後にも先にもこの「薔薇の騎士」のみです。ちょっと、淋しいです。
 思い起こせば、それはシマがいまだ学生の頃。時あたかもベルリンの壁が崩れ、壁の破片が3マルクで売られていた、そんなアレグロな空気が支配していたベルリンの、ドイッチェ・オーパー。ユースホステルから観劇に出かけましが、あれから、もう10年以上たったのですねぇ…。
 そんな思い入れのあるなしに関わらず、美しくて良くまとまった作品です。この作品の極めつけ録音は、ステレオ初期のこの盤をおいて他にありますまい。フィルハーモニア時代のカラヤンの指揮、そして豪華なキャスト。特に、シュヴァルツコプの歌声は、時代を確実に超越して響きます。
 あの頃と、この頃と、そして他の頃も。全てを貫き、異なっている時空間を1つにする魔力を持つような味わい。完成度の高い純米吟醸酒と共にどうぞ。
up 16 Mar. 2004



展覧会の絵
ELP
ATLANTIC
 オリジナルがありながら、オリジナルを消化し切り乗り越え、前衛的新境地を拓く。こんな快挙を成し遂げたロックのアルバムは、そう多くないと思います。ELPのこの盤は、この意味、既に伝説です。
 思えばシマが子供の頃。ビートルズに始まって、従兄弟の兄ィや先輩からの影響も受け、ブリティッシュ・ロックをひた走っていた中学生〜高校生時代。そんなシマに、クラッシック音楽への扉を開いてくれた盤。この盤の切れ味にとにかくハマり、勢い余ってムソルグスキーのオリジナル曲を買いオーケストラ編曲を買い、そしてそれから、シマのディスコグラフィにはクラッシックが激増することとなりました。
 凄まじいまでの、融合と新天地の炸裂。それが押し開く、未来の扉(いや、扉向こうの未来と言うべきか)。そう、そんな日本酒との出会いが、ありませんでしたでしょうか?。今宵は、原点に立ち返り、日本酒に開眼した時のあの銘柄あのお酒にて、いかがでしょう?。
up 11 Feb. 2004



モーツァルト ピアノソナタ・変奏曲全集
pf ダニエル・バレンボイム
EMI
 若い頃には、そのあまりにありきたりでメジャーな名前の故にモーツァルトを敬遠していたシマです。その頃は管弦楽曲が中心で、思えば器楽演奏もおおむねパスしていました。そんなシマも歳を取り、最近はピアノが大のお気に入りです。
 それこそ、どんな方が聴いても、一度は耳にしたことのある旋律にあふれている、モーツァルトのピアノソナタやピアノ変奏曲はそんなです。曲そのものに絶対的な速度があるかのようなモーツァルトに、バレンボイムの端正にして強靱なタッチが小気味よく合っています。
 時には、「キラキラ星」の原曲なんぞも良いものです。守備範囲の広いお味のお酒と共になさってはいかがでしょう?。

 デジタル録音で音質も良い8枚組ボックスセット、輸入盤の故、枚数の割にに安価。シマはオークションで、新品未開封を出品価格の4800円で落札しました。
up 5 Feb. 2004



モーツァルト 魔笛
ルチア・ポップ ニコライ・ゲッダ グンドゥラ・ヤノヴィッツ
EMI
 何かとオカルトな解釈も横行するこのオペラ、モーツァルト最後のオペラにして唯一のドイツ語作品、とにかく楽しい喜劇として鑑賞できます。様々な録音がある(シマは8録音押さえています、アップ時点で)中で、この、オットー・クレンペラー指揮の盤を推しておきます。
 とにかく、キャストが凄過ぎ。夜の女王役のポップのリリック・ソプラノが可愛く優雅に響くのが個性的なれば、ヤノヴィッツも負けません。三人の侍女役にまで、エリザベート・シュヴァルツコプやクリスタ・ルートヴィヒが。男声陣にも最盛期のゲッダ、ベリーの力強さ。
 思わず知らず、身体が軽やかに動いてしまう、そんな楽しさに、お酒の味にも太陽神が宿るが如くになるでしょう。
up 4 Dec. 2003



Sentimental Journey
Vo. Doris Day
 我々日本人にとりましてのこの50年、アメリカという国へのイメージは、時代と共に変化してきています。皆が、アメリカという国にあこがれを抱いた時代が、確かにありました。ドリス・ディの歌声は、正にその時代の声のような気がします。
 小難しくしかめっ面して最近の日米関係などを考えると、ともすれば思考は袋小路に迷い込み、酔いも醒めてしまいかねません。そんな時には、彼女の歌声で気を落ち着けるのが吉でしょう。

 このディスクは、一種のベスト版で、いわゆる廉価版と呼ばれるもの。CDショップのワゴンセールみならず、DIYショップや駅構内の催事などでも売られるような、価格も980円とか780円とかになるものです。
 手に入りやすいでしょう。
up 19 Oct. 2003



Black Coffee
Vo. Peggy Lee
DECCA MCA
 今更ご紹介するまでもない名盤でありますが、敢えて…。
 お酒というもの、そのものの味とは別に、実に「苦く」感じるときがあるものです。体調が悪くて苦く感じるのなら飲まないまでのこと。しかし、もっと別のあたりのカゼのようなもののために、飲みが要るものの実に苦い、ということも多々あります。

そんなことも、ありますかと…。

 タイトル曲は、御大サラ・ヴォーンが初録音したバラードの名曲ですが、ペギーの名唱によってお株は完全に奪われてしまっている感じです。歌からにじみ出る苦みが、心の、酒の苦さを、相殺してくれるならば…。
up 4 Oct. 2003



ビゼー カルメン ハイライト
マリア・カラス(ソプラノ) ニコライ・ゲッダ(テノール)
東芝EMI
 なんとも古典的できらびやかな旋律の中で閃光のごとく発せられ響き渡るのが、マリア・カラスの歌声。上手い下手の二元論をあざ笑う、人によって好き嫌いがハッキリ分かれる、彼女が持つ無類の個性。このディスクにめいっぱい詰まっています。
 このディスクは、誰指揮のどこの楽団・どこの合唱団というのをカヤの外に置いてしまい、作曲者ビゼーという名すら背後に隠れてしまって、さらにはカルメンというタイトルさえ押しのけて、「カラスが歌う、カルメン」になっている、そんな破壊力に満ちています。しかしそれは、鴻毛に比せられるタナトスを伴って、あくまで産毛のようなエレガンスの衣をまとっている。この綜合には、ひたすら聴き惚れるばかりです。
 一飲して「エッ、なにこの味…?」というのも、嗜好品の世界では常なるものですね。対峙することも、まま必要なのです。
up 15 Sep. 2003



dez anos depois
Nara Leao
PHILIPS
 『美しきボサノヴァのミューズ』という、ちょっとシケた日本語タイトルだけは止めて欲しいのですが…まぁ、名盤と謳われたアナログレコードそのままのデザインでのCD復刻、外側にはそのタイトルは見えませんから良しとします。
 原タイトルの意味は、「10年後」です。ほとんどの曲は、亡命中のパリで録音されています。ラテン的?ドラマチックさは戦後の歴史にも様々顔を出し、現代日本では考えられない「亡命」そして「亡命者」としての作品の発表。ボサノヴァの代表作が取り上げられてはいても、物憂げさが徹頭徹尾漂います。
 静かに、杯を傾けませう。
up 31Aug. 2003



ベートーベン 交響曲第9番 合唱付
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 北ドイツ放送交響楽団
LONDON/DECCA
 “第9”と言えば、日本の年末の風物詩となってしまっています。あの合唱を聴くと、「ああ、今年ももうお仕舞いかぁぁ…」と、パブロフの犬状態。まぁ、それはそれでよしとしましょうか。
 それほど、日本人に愛されている交響曲。ディスクとなって売られている枚数も天文学的数字(ウソ)にのぼるでしょう。何を隠そう 、このシマも、大好きです。この曲だけで、何十枚と持っています。
 シマが至高と致しますのは、皆々様と同じく、大指揮者フルトヴェングラーのバイロイト録音の「あれ」です。しかし、ここでは敢えてそれを挙げず、この少々マイナーなものを推しておきます。確かに、オケの力、指揮者の牽引力には不満が残りますし、実際演奏時の乱れもハッキリと聴き取れます。しかしながら、ソプラノのジョーン・サザーランドの絶唱が、その全てを帳消しにしてくれていると思います。彼女の魂魄に引き上げられるかのように高揚する他のソリスト・合唱団。合唱付きの交響曲の醍醐味が、このディスクで味わえます。
 豪快に酔って、ヘベレケになった後でも良いです、聴いてみましょう。そして、せっかく酔っているのです、歌いましょう、「友」の一人として…。
up 2 Aug. 2003



ショパン 前奏曲・夜想曲集
pf サンソン・フランソワ
EMI  2枚組
 「天性のショパン弾き」という、あまりにありきたりなアオリ文句が一番似合う。サンソン・フランソワは、そんなピアニストではないでしょうか。
 幼少からの天才エピソードは措くとしても、三度目の来日時には既に幕間にまでアルコールが手放せなくなっており、そのしばらく後の翌年秋、僅か47歳でこの世を去ったという、いかにもフランス的天才・破滅型の人生。残された録音に、やはり色濃くにじみ出ております。
 さて、どれを挙げるか迷うところですが←全集で揃えなさい、コレに落ち着けておきます。軽やかに鮮やかに、華麗に、そして繊細に。泣けます。
up 9 June 2003



ドビュッシー 前奏曲集第1巻
pf アルトゥーロ・ミケランジェリ
グラモフォン
 この、荘厳でキビシさに溢れ、また緊張感のある演奏を、是非是非聴いて頂きたいものです。特に、「亜麻色の髪の乙女」と聞くと、どこぞの一発屋姉ちゃんがはしゃぎながら歌う歌しか思い浮かばないような方々に、ですw。
 ミケランジェリは、録音を多く残しませんでした。現在、イタリアのマイナー・レーベルから、ライブ録音がイロイロとCD化されておりますが、音源が音源です、完璧主義者のミケランジェリならば絶対にそんな録音は認めなかったでしょう。
 ドビュッシーの曲にある、独特の色彩感。一音一音から、フルカラーでピアノの音色が語りかけてくるかのようです。
up 9 July2003



Don't Smoke in Bed
Holly Cole Trio
EMI
 世に言う、スタンダード・ナンバー。誰しもが歌う、誰しもがカヴァーする。その故に、かなりの実力が無いと成功しないのではないでしょうか。このディスクで聴けるのは、言わばホリー・コールのコブシが利いた、それらスタンダード・ナンバーの数々です。
 「テネシー・ワルツ」なんぞ泣けますし、他にも名曲の数々が力強く色っぽく艶やかに歌い上げられています。
 アナログ・マルチ録音を、名手バーニー・グランドマンがデジタル・マスタリングしたことは、案外知られておりません。
 
up 9 July 2003



Wish You Were Here
Pink Floyd
CBS
 ピンク・フロイド。ああ、青春。聴かせてくれる、語りかけてくる、そんなプログレではないでしょうか。
 シド・バレットがいた頃の、前衛的でサイケな頃よりも、アルバムというものを計算の上に練り上げて構築していく形が整ってきてからのものの方が、その深みにおいて酔いに合うような気がします。
 このアルバム、「あなたがここにいて欲しい」(しかし、本来の直訳タイトルが日本版では副題になっていて、「炎」という名が付いているのはカンベン)の歌詞が、泣かせてくれます。この、youが、シド・バレットのことを指すのか、それとも、叫びを聞く貴方のことを指すのか、はたまた、ドッペルゲンガーを思い描くのか。
 ロックの歌詞は、こうでなくっちゃ、と思います。
up 9 July 2003



DEGUNG  Bulan Dagoan

KERATON
 インドネシアという国、なかなか広うございます。人口も面積も、島の数も、圧倒的に日本より上です。当然、あちこちに独特の音楽があるのですが、日本でポピュラーなのはバリ島ばかりという気がします。ここでご紹介しますのは、ジャワ島西部スンダ地方の音楽です。
 とにかく、軽やかでやさしい調べ。秋の夜長に静かに聴くのが一番という感じで、バリ島のガムランのようなスケール感(と言いますか、騒々しさ・けたたましさ)とは対極にある、とにかく気持ちのいい音です。
 第1巻から第3巻まで確認。ちょっと入手が難しいかもしれません。シマは、AとBを新宿のタ○ー・レコードで、@は「インドネシア文化宮」という団体のヤフー・オークション出品で手に入れました。
up 9 July 2003



沖縄しまうたの真髄
嘉手苅林昌
Victor
 沖縄の音楽。近年、様々なシーンにより、大変ポピュラーなものとなりました。お好みに合わせて、イロイロ選ぶことが出来ます。
 しかし、このお方、嘉手苅林昌の三絃(サンシン)と歌声が、正道にして王道をいくものと勝手に確信します。無欲闊達で無頼の人生、つい近年惜しまれつつ締めくくられることになりましたが、氏の業績は未来永劫記憶されることでしょう。
 枯れていながら、通る声。間を心得た、完成度が高くありながら緊張をもたらさない節回し。
 まなざしを遠くに、一杯やれます。
up 9 July  2003



Shepherd Moons
Enya
WEA
 もう、申し上げるまでもないほど世界的に有名なアーチスト、エンヤ。彼女のセカント・アルバム(録音の順番からすれば3番目ですが)は、国内版ではなく輸入版で手に入れてはいかが、とお勧めいたします。
 と言いますのは、7曲目「Book of Days」が、国内版ではケルト語(ゲール語)で、輸入版では英語で歌われておりまして、個人的には歌詞の内容が理解できて全体の感じもよりスムーズな、英語バージョンの方がお気に入りです。
 その他の曲も良いものばかりで、全体としての完成度も高い、エンヤのアルバムの中でも最高のものではないでしょうか。
up 9 July 2003



海洋地形学の物語
YES
ATLANTIC
 もう随分前のことになりますが、シマがインド世界を繰り返し旅していた時、ガイジン旅行者相手の古本屋に必ず並んでおりましたのが、「あるヨガ行者の自伝」というペーパーバックでした。
 イエスのボーカル、ジョン・アンダーソンは、東京コンサートの前夜、同書をめくっており、その中のとある長い脚注、ヒンズー教聖典に関する記述に心を奪われたそうです。それが出発点となり、この長大なロック交響曲が生まれることになるとは。このアルバムをシマがはじめて聴いたのが15年前。このエピソードを知ったのは、実はつい最近のことでした。インドで同書の背を眺めていた頃には、気付きもしなかったことです。
 さておき、イエスのエッセンスが詰まっている2枚組みと申せましょう。淡々と、しかし脈々熱く、ともすれば抽象的な内容が語られていく、交響曲でありながら一大ロック叙事詩でもある全体像。酔いが軽いうちに、神経を少しだけ研ぎ澄ませて、向ってみられてはいかがでしょうか。
up 9 July 2003



ラヴェル 管弦楽曲集
アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団
EMI
 ラヴェルと言えば、いちばん有名なのが「ボレロ」かも知れません。その期待を裏切らず、ボレロから始まり、「ラ・ヴァルス」「スペイン狂詩曲」と続く管弦楽曲集がこれです。
 それらの曲ならば、どのオーケストラどの指揮者でもよりどりみどりですが、敢えて推しますのは、このディスクです。
 クリュイタンスの牽引が、あたかも極上の酒を思わせるような芳香を放つ・・・もう、現代のパリ管弦楽団などには、このような演奏はムリなのではないかとさえ思います。
 演奏に芳香、手元にも芳香、こういう組合せで是非お楽しみくださいませ。
up 9 July 2003







嶋のシステム紹介
15 Sep. 2005現在

 スピーカー



MM−161T ハセヒロ・オーディオ製エンクロージャー(箱)
http://www.spnet.ne.jp/~hasehiro/

6CX-501 コーラル製同軸2ウェイ スピーカーユニット
F-120A フォステクス スピーカーユニット
スピーカーは、新潟県にある小企業の品です。
大手・高額メーカー品には無い、独自の境地があります。
とにかく、リンク先をご覧下さい。


  Oct. 2004
今は無きコーラル社の同軸2ウェイ16センチユニットを手に入れました。
勿論、ネットオークションで競り落としたものです。
アルニコ磁石が奏でる弦楽器音の美しさたるや、時を忘れて聴き惚れてしまいます。
ネットで調べてもいつ頃の製品か不明なままですが、おそらくは70年代かと。
このユニットを載せるためのバッフル板は、下記にて高精度で切り出してもらいました。
http://www.enchanteart.com/diy/

 June. 2005
スピーカーユニットの浮気が始まりました。
オークションで競り落としてイギリスから届いたドイツ製1950年代ユニットを試し、
次は国産フォステクス社の高級フルレンジユニットに。
今はそのまま落ち着いております。
http://www.fostex.co.jp/jpn/TOP/top.html

  Sep. 2005
ユニットが、コーラル同軸2ウェイに戻りました。


 パワーアンプ
SV−300BE サン・オーディオ製キット
http://www2.big.or.jp/~sunaudio/sv/sv300be.htm
使用真空管

出力管

中国製選別
ロシア・スベトラーナ社製
300B
SV300B
初段管

CTS
CBS HYTRON

SILVER TONE
CV1988
5692
6SN7GTB
整流管


MULLARD
RCA


CETRON     
5AR4
5R4GY

5U4G

5R4WGB
   コンデンサ・抵抗はほぼ総取換・高級パーツに変更
   配線材はWE製綿巻線

プリアンプ
角プリスペシャル・特注品 WE396A01S
http://www.odeo-co.co.jp/
使用真空管
 
ライン段
 

WESTERN ELECTRIC
NORTHERN ELECTRIC

BENDIX
396A
396A

6385
整流管 WESTERN ELECTRIC 412A
   富山県にあるガレージメーカーと連絡を取り合い、特別仕様にて製造を依頼。
   コツコツとこだわりの品を世に出す方は、応援するのが仁義というもの。
   プリの球は、良くも悪くも名門ウェスタン・エレクトリックと相成りました…
                 (現在、BENDIX製同等高信頼管を使用中)

 CDプレーヤー TEAC VRDS-25X