加茂 蕃山

漆の彫刻(彫漆)について
二枚折屏風・風炉先屏風・彫漆テーブルは、8色の色漆を塗り重ねた層を彫ったものです。
下から灰色・茶・白・緑・黄・青・赤・そして表面の黒の8色です。1色につき13〜15回
塗り重ね、合計で約100回塗ります。厚さは約2ミリの色漆の層が出来上がります。
井波彫刻で鍛え上げられたノミの技法で、作者が意図する色まで彫り下げたものです。
沈金や蒔絵のように、あとで色を入れたり描いたりしたものではなく、どこを彫っても
深さによりいろいろな色がでます。
この「漆のかたまり」とまで言われる彫漆板制作に約200日、彫刻に約100日を要す
る為、これだけ大きな色漆の彫漆を手がける人は日本では稀となりました。