昭和二十年以降は、社会的に生活様式の変化と洋 紙業の発展におされ、和紙の需要は激減していく。 だがそうした事態にのぞみながらも、この草深い五箇山の村里になお長い伝統の命脈を保ち続けようと、寒風に身をさらし、冷水に骨の髄の凍る思いで紙を漉く人々の姿がある。 和紙に対する認識の高まりが五箇山の手漉紙を復活させ、雪に閉ざされた紙屋から懐かしい紙たたきの音を響かせるようになった。