◆越中五箇山物語◆vol.22

※文章は五箇山在住の方から頂いたものをエッセイ式に掲載しております

五箇山の風景〜けしき〜その@

 四季の五箇山 「春の宵」にて。

 梅〜は〜咲いた〜けど、五箇山。
 桜は未だ、咲かないのだ。
 ところで、昨日から開幕した、四季の五箇山一連の事業のひとつ、それが「春の宵」。
 宵、というからには夜のイベント、「夜の」、とつくと浜名湖名物のお菓子のような、何やら妖しい響きがあるがそうではない。 菅沼合掌集落
 真面目も大マジメ、五箇山の菅沼合掌造り集落のライトアップや民謡の披露、かたりべさん達による昔話など、合掌造り家屋の中で、有体に言えば「ならではの」五箇山を味わっていただこうという趣向なのである。
 お茶席には咲き始めの桜の枝が活けられ、春祭りご膳と民謡を楽しんでいただくという特別宴席も予約で一杯、桜が咲いて言うこと無し、右進上!
 ・・・なのであるが、開催6年目にして、満開の桜に遭ったのはなんと1回。あとは、というと葉桜に大雨、大風・・・等など、今年に至っては 「つぼみ膨らむ」な状態ときた。
かたや、毎年必ず「この冬一番の冷え込み」にブチあたる「雪あかり」で、実行委員個人の天気運全てを使い果たしているからかしら?なんて思ったり。
 
 みんなで桜の枝活けるやら、雪の下から「赤かぶら」を掘り出したのを売ったり、頑張ってんのに、お客さんたくさん来てほしいのに…。
と、ブツブツ吹き出物のごとく 、つぶやく私に気づいたのか、あるお客さん、こう仰ってくださった。
  「あんまり観光地化しないでよ。」 はるばる和歌山からお越しの、このイベントの常連さん。
 自分だけの、とっておきの五箇山でいてほしい、 自分だけが知っている、桃源郷のような場所であり続けてほしい。
 ちなみにその方、五箇山に始めて来たのは、30年前のことだったそう。 船で来た冬の五箇山の風情に、それは、それは感動したそうだ。 「おねえさん、お客さんがたくさん来ることはそりゃいいよ。 たくさんバスが来て、土産物屋もたくさんできて、大勢の人でごった返して。そんなとこで、感動できると思う?」
 確かに。人を見に来たわけじゃないからね。 鄙びた山里をイメージして来た方にとっては、大きな感動を与うる場所では、少なくともなくなってくるのであろう。 ありきたりの「観光地」ではない「感動地」でいてほしい。と
 一言でも、そのような事を言っていただけてそれだけでも今までの苦労が報われた気がしたのであるが、 満開の桜・菅沼合掌集落 確かに、「違いのわかるお客様=リピーター」を増やすことこそが私達の使命なのである。
 しかし霞を食べて生き続けられる「仙人」ではないので、形振りかまわずとまではいわずとも、やはりたくさんお客さんに来てほしい。 なおかつ感動を与えられる場所であり続けたいと、贅沢なことを思う私。 今何かと話題のバチカン、サンピエトロ寺院の前庭に立ったあの感動を、ライティングが施されたエッフェル塔が眼前に現れたときの感激を、モウロクせん限り、私は一生忘れない。
 「観光とは」なんて、「ぶる」つもりは毛頭ないのだが、大勢の人でごった返しても、3時間並んでも、かたや1人で涙を流しながら誰かの詩に浸っても、「感動」は人の数の大小で測られるものではない、その人が求めたものに対する「満足度」の問題なのであろう。 春の宵、「もうよい」とは思わないぞ、まだまだ続けてって、パニックになるくらいに人が来て、たーくさんの方が「満足した」と思うイベントになってほしいと、願わずにはいられないのです。
 
  ここでCM入ります。
四季の五箇山「春の宵」。
 来月5月14日までの毎週土日、菅沼集落と合掌の里をライトアップし、最終日には民謡の披露も。
  越中八尾「おわら」の「結返し※特別出演」を始め、五箇山民謡のすべてをごらんいただける「越中民謡歌と踊りの競演」には、入場整理券が必要です。
 ぜひ五箇山に泊まって、ご覧になってください。
 お座敷民謡つき春の宵御膳はご予約受付中です。
 お問合せ先は合掌の里
 рO763―67―3300まで

 どうぞ。 みんな来てくださいねっ。
 
 ※ 「結返し」・・・五箇山地域独特の互助組織活動である「結」の作業をお返しすること。
 例えば、自分の家の屋根葺きを 「結」でやってもらったらそのお返しに違うどなたかの作業に出ることなどをさす。
 
  この場合、2月に行なわれた 「越中八尾・冬浪漫」に五箇山 民謡関係者が出演依頼を受け 八尾町まで出向き公演しまし たが、今度は逆に五箇山におわ らさんをご招待する事になり ました。
 すなわち「結」と「結返し」なわけです。

文章:@ゆっけ  2005.04

※写真はイメージです

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