◆越中五箇山物語◆vol.14

※文章は五箇山在住の方から頂いたものをエッセイ式に掲載しております

夏休み、と言えば。その@

 かんりにんさんのお散歩日記にも登場した、カブトムシ。
 夏ですね、夏。
 私が小中学生の頃の夏休みといえば。
 朝寝坊のラジオ体操ではじまり、キュウリのみそ汁で朝ごはんを食べ、お盆には親戚の子と遊び、(しまいには近所の親戚の子とも仲良くなり都会の文化や言葉を吸収した。)
 夏休みの目標!!!などと大々的に掲げ、10日間で終らすはずの宿題は、当然3日ほどで何かの下へと追いやられる。(そして最後の3日間で登場する事になるのだが)
 毎日一粒ずつのビタミン肝油だけは3日で食べ尽くし、(昔はそういうものがあったのよ)親に怒られ、また怒られ、最後にやり残しの宿題がジャジャーンと登場する頃には怒りもピークに達し、怒り飽きないかという期待もまんまと打ち砕かれるのが常であった。  
 そうして中学生になり、ラジオ体操では小学生のお手本となり、部活動に汗を流し、実に健康的な毎日を送っていたものだ。 
 ところが、そこで終らないのが、「五箇山」に住む私たちだ。    
 「生意気(なますい)」な中学生であったと今から思うが、こともあろうか、観光で訪れるお客さんを相手に「カブトムシ」を売ったのだ。
 それも、「ここは売れている」勝手にリサーチして、集客を見込んだみやげ物屋の軒先を借りて。
 「五箇山の、元気なカブトムシ」
 などというキャッチコピーをつけ(どう元気なんだろか)そしてポスターを書く、つり銭、パックも、キウリも全部自分達で担当を決め、作業分担して用意し、「オス300円・メス200円 つがいで400円」とお客様にとって買いやすいように価格も設定した。 やっぱりカブトムシといえばキュウリでしょう
 そしてお盆の間に「少しのお小遣い」を儲け、バスに乗って町へ映画を見に行ったものだ。
 そうしてやっぱり最後まで宿題はできなかった。
 その他にも、近くの渓流に遊びに行き、堰堤から飛び込んだり、バーベキューをしたりして遊んだ。(今なら即消防団出動モノかも。今の子はアブないことしられんなねー)
 また、オロロという小さいアブがお盆時期に発生し、これには毎年往生するのだが、それがいなくなる=涼しくなると夏休みも終わりで、さびしい気がしたものだ、
 と、ここまで書いて、ひさかたぶりで思い出してしまった、とある出来事がある。  
 小学5年の夏休みも終わりに近づいた、とある日からそれは始まる。  
 近所の子が、白い親犬と仔犬を連れて歩いている。
 「ねーねーどーしたが?」と聞く私に友はこう答えた。
 「捨てられとったが」
 「かわいー」
  どうやら他所の人が、養えなくなった犬をこの地に捨てていったようだ。
  私達は、その犬をプールの横手にかくまい、牛乳やパンをやり、 名前をつけ、ナイショで飼い出した…。  

文章:@ゆっけ

※写真はイメージです

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