◆越中五箇山物語◆vol.12

※文章は五箇山在住の方から頂いたものをエッセイ式に掲載しております

がんばれ、 五箇山生まれのおじいちゃん

 おばあちゃんの事ばっかり書いて、おじいちゃんの事を書かないわけにはいくまい。
 先日、家で取っているスポーツ新聞を読んでいたときのことである。 大阪市内にある銭湯を訪ね歩いてリポートするという柔肌リポート銭湯大好きMという妖しげなタイトルの連載記事、いつもは全く目を通さないのであるが、ふと、こんなサブテーマに目が引き付けられた。 スポニチ2004年6月2日号 「こきりこで知られる富山出身」帰り際に“ささら”を伝授。  と、ある。
 「なぬ?ささら?とやま?こきりこ?」  
 大阪市の我孫子筋近くにある「文明湯」という銭湯の御主人が、この回の主役。 「おわら」や「こきりこ」などの民謡で有名な富山の五箇山、平村の出身で、終戦後、24歳で大阪へ移住。
 若いうちから風呂屋で修行をし、ご苦労をして、銭湯を経営してきたそうである。
 口について出るのはやっぱり麦屋節やこきりこ、だそうで、「やっぱりふるさとはいい。年に一回は墓参りをしますねん」とおっしゃっている。
 そこまで読んで、ふと考えた。
 大阪在住の五箇山出身の方は、風呂屋か床屋か中華料理屋、と思っているのは私だけかもしれないが、それほど銭湯を経営されている方が多い。  
 実際、親類から来る年賀状には、銭湯の名前が多い。  
 そういえば必ず、お祭りに帰郷したおじちゃんがいたなあ。それはもう、間違いなく、欠かさずに、帰ってきていた。  
 祭り近くになると、大阪まで獅子の練習の音が聞こえてきてたらしい。(←ほんとだってば。)  
 私ら、生まれたところに住めて、いつも郷土の民謡やら風景がすぐそこにあって、それはとても幸せな事なのではないか、と。   
 「は?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、例のあの一言に尽きる。 リポーターとおじいちゃん
 「ふるさとはとおきにありて思うもの…」
 大阪は広い。人も多い。その中でこうやって郷土出身者の銭湯が取り上げられる事も全くの偶然である。  
 そして、お店云々より、民謡や、ふるさと五箇山の良さを一生懸命PRして下さっている。
 雪が多いとか田舎だとか、そんなことブーブー言ってる自分が、なんとも恥ずかしいくらいだ。
 大きいささら手にしたリポーター、その横で楽しそうに微笑む御主人、御歳73才だそうである。
 いつまでもお元気で、ふるさと五箇山に応援歌をください。  

文章:@ゆっけ

※写真はイメージです

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